第五回 テストフライト報告
今回は駆動系のトラブルのせいでTFが中止になってしまい非常に申し訳ありませんでした。第二回のTFレポート以来ですが、このようなことでレポートを書くことになりとても残念です。
今回のトラブルを詳しく説明します。前回のTF時フェアリング内にねじが二本出てきたということがありました。そのねじというのが僕らでしか使わない様なねじだったのですが、抜けそうな所は全て確認したところ、一箇所もねじが抜けているところはありませんでした。、最終的に回転試験時にドライブシャフトと下のギアボックスをつなぐ4本のねじの内、調整がうまくいかず二本を抜いていたため、そのねじをフェアリングの中に置いたままにしておいたためだということになりました。あと一箇所ねじ止めされているところ(上のギアボックスとプロペラシャフトの接合部)があったのですが(詳しく説明することは避けますが)そこからねじが抜けて飛行中にフェアリングの中に落ちるなんてことは普通に考えて可能性はとても低いということでここは確認しませんでした。しかし、実はここの4本のねじの内、2本が抜けていたのです。
そして今回のTF前に回転試験を行ったのですが、今回の回転試験はプロペラ班の希望によりピッチ角を落として回転数を100回転以上に持っていくという、いつものように通常のピッチ角で90回転にもっていくという試験ではありませんでした。このため通常の回転試験時にかかる負荷よりも小さな負荷で回っていて、この時点で(すぐに分かるような)問題が起きず、ねじが抜けていることにも気づくことができませんでした。
ほぼ前回と同じ条件で、TF前の回転試験でも問題なかったため、前回のTF同様、今回もいつも通り回ってくれるだろうと考えていました。しかし機体が全て組みあがった状態での飛行前の回転試験で異常が起きました。最初の一回は綺麗に回っているように見えたのですが、回転数が上がっていくとかすかにカーボンの破断するような音が聞こえていました。その音には僕と神谷しか気づかなかったので、何の音なのかはよくはわかりませんでした。その後何回か、回転させてみてギアのかみ合わせ等、色々いじってみたのですが、段々とひどくなっていきました。あまりにも酷いので一度全てばらしてみることしました。そこで上に書いたようにねじが二本抜けていることが分かりました。ねじ2本で回転を伝えていたため、プロペラシャフトに4本ささっていたときの2倍の力がかかることになり、プロペラシャフトはねじで削られ、これ以上回転させることはとてもできない状態でした。その場で直すことは不可能で今回のTFは中止にしてもらうことになりました。
今回のトラブルの大元はねじが二本抜けたことですが、それをあいまいな理由で確認を怠った僕が甘かったです。綺麗に機体が飛んでいたので少し浮かれていました。
修復はどうしても二週間かかってしまうので、次回TFは二週間後になってしまいますが、それまでには問題を解決し、改良を加えて、必ず飛べる状態にします。本当に今回はすみませんでした。次回以降このようなことは絶対に無いよう心がけます。