Scoop!! Team Stock Yard

MLから生まれた新チームを独占取材!!冬の大潟村潜入リポート

ことの発端は1997年師走のはじめ、都内某所で行われた、とある会合での出来事だった・・・。

・・・"Brain Sport ML"・・・日本国内のソーラーカー関係者の多数が参加するメーリングリストの忘年会である。

「新たに480Wクラスのソーラーカーを製作し、WSRに挑む」
こんな話題が出て盛り上がったかと思えば、みるみるうちに話はふくらみ・・・いつのまにか、新たに混成メンバーのチームを結成し、480WでWSR上位を目指すことが決まった。

・・・数日後、MLに新チーム結成の花火が上げられ、かくして、年の瀬の秋田県大潟村にて、その結成会が行われることとなった・・・。

以下は発起人の一人、東京都目黒区の学生、鈴木康慎氏(22)に同行し、その結成会に潜入した匿名希望の特派員K(って、バレバレ)の現地レポートである・・・。

1st Day - 潜入

 12月25日、クリスマスの夜、特派員Kは鈴木氏と共に山形経由で秋田入りした。
 新庄発秋田行きの最終列車、我々の乗った車両には他に誰一人乗っていなかった(鈍行に乗っているのは貧乏だから(T_T))。
 うーん、さみしいよぉ・・・。

鈴木氏、寝てます。
酔っぱらいではありません。

午後11過ぎ、やっとのことでJR秋田駅に到着・・・。同じく発起人の東氏らの出迎えを受ける。

2nd Day - 再会

翌日、秋田から更に電車に揺られること30分、JR八郎潟駅に降り立った一行は合田氏と合流した。橋をわたり、いよいよ大潟村に潜入。

「・・・あー、また来ちゃった・・・」

軽く昼食を取ったあと、いよいよ合田氏の格納庫(作業場)へ。そこにはすでに小林氏が待っていた・・・。
 ふと見上げると、そこにはソーラーパネルが!! 旧キラキラファイターで使用されていたものだそうだ。
 「これで480W2台分はとれそうだね(笑)」
 むぅー、あるところにはあるんだなぁ。
 「パネルにモーター、バッテリー・・・、モノは揃った。人も揃った。あとは作るだけだぁー!!」
 ゆっくりとシャッターが開くと、そこにはサ○ダーバードよろしく重厚なマシーン達が・・・(笑)。
 タッタカター、タカタッタ、タッタカタッタッター・・・と、サ○ダーバードのテーマと共にコンバインに試乗・・・。
 これで農作業のお手伝いもできる!?
 合田氏の作業場はこんなところ。Team潟郎の活動場所でもある。
 写真には写っていないけど、ボール盤、溶接器、コンプレッサー、米選機、籾スリ機、乾燥機、ストーブ、みかん・・・なんでも揃ってます。でも、トイレはありません(笑)。
 試作したサスペンションに試乗(?)中。・・・やや、手前の白いツナギはZDPの某T脇氏では?なぜこんなところに・・・?
 じゃじゃーん、本邦初公開!! エアーサスペンション試作品。試作時間は約2時間でした。
 さてさて、荷重試験。みんなで上に乗って・・・
 「・・・うーん、沈むなぁ・・・」
 改良の余地あり・・・。
 こちらでは小林氏がZDPから譲り受けた(?)モーターに、おもむろにバッテリーをつないでテスト中。
 手で握って負荷をかけて・・・
 「うわっちっち!!」
 大きさの割にはパワーがありました。
 村内の集会場に場所を移して、とりあえずカンパーイ!!
 小林氏の獲った野生の鴨の鍋をつつきながら、各自が持ちよった案を検討して新車の構想を練りました。
 それにしても、鴨鍋のうまかったこと・・・。でも、食べおわった骨を、「それ、出汁だー!!」って、鍋に戻すもんだから・・・
 でも最後に食べた「鴨鍋ラーメン」(?)は絶品でした。
 こちらでは、実際に運転姿勢をとってもらってフレームのサイズを検討中。
 「おっ、いける、いける!! 30cmで入っちゃうよ。」
 真剣そうですが、皆さん、だいぶ酔いがまわって大騒ぎ・・・。
 各自、案を出し合って新チームの名称を選考中。何度も人気投票をとって票の少ないものは情け容赦なく却下、却下・・・。
 最後は"Added Pot(寄せ鍋)"、"Mix Juice"、"Team Scramble"、"Team Stock Yard"の4案での決選投票で・・・・
 "Team Stock Yard"に決定!!
 Stock Yard とは、ゴミ捨て場・ソーラーカー最終処分場・持ち寄り部品・ゴッタ煮・リサイクル・・・、いろいろな人々が地域の壁を越え、持てるものを少しずつ出し合い、一つの思いの元に結集する・・・。
 それでは、チーム名決定を祝って、記念撮影。
 ・・・こうして寒くて熱い大潟村の夜は更けてゆく・・・。

午前0時過ぎ、延々と6時間以上(!)続いた宴も終わり、徒歩で今晩の宿、合田邸へ。

ふと見上げると、思わず息を飲む満天の星。東京よりもはっきりと輝く北斗七星が新チームの結成を見つめていた・・・。

3rd Day - 始動

 二日目、合田氏宅で遅い朝食をいただいて、腹ごなしにTeam潟郎の格納庫から「キラキラファイター」を引っ張りだして、見学・試乗会・・・。でも、乗っているうちにあいにくの雨が・・・
 雨宿りがてら作業場に戻って、昨日の検討結果を元に、今度はフレームのモックアップを試作。みるみるうちにアイデアが形になってゆく・・・。
 「思い付いたら、即実行」これがチームの源動力。
 昨日試作したサスペンションも・・・
 「せっかくだから、タイヤもつけて、くっつけちゃえ!!」
 こちらでは、余っていたモーターとバッテリーをのせて、チェーンをかけて、後輪をまわして・・・
 あっという間に試作品が一丁上がり!!
 溶接用の安全帽をかぶって乗っているのは某T脇氏。うーん、怪しい・・・。
 ちなみに、本当に乗るとつぶれます
 「たったの2日で試作品ができるんだから、余裕だね!!」
 どんなものもノリでつくってしまう集団、「Team Stock Yard」・・・、恐るべし。

- 番外編 -

 冬の大潟村ソーラースポーツライン。「やっぱり大潟村に来たらここに来なくちゃ」と、いうわけで訪れてみました。
 ちょうどこのあたりが東工大のピットのあったところ。冬のスポーツラインはひっそりとして、どことなく寂しげ。
 一面銀世界を期待していたのですが、秋田も最近はこの時期では雪は降らないそうです。
 記念にTeamJonaSunの本拠地、秋田市内の「MODE STUDIO Q」で髪を切っていただきました。
 MODE STUDIO Q の皆さん、どうもありがとうございました。お礼に宣伝させていただきます。
 みなさん、WSRが終わったらMODE STUDIO Qで頭をスッキリさせましょう。(ただし、坊主は不可(^^;)
今回のキーワード:「きちゃった・・・」
1998年1月3日付
特派員K
記者注:以上のリポートは一部脚色が交えてあるものの、おおむね事実です。
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