8月2日・本戦第2日目


 午前4時30分、日の出と共に保管されていたバッテリーが返却され、レース開始までの間、太陽光による充電が可能となる。
 しかし、今日も天気はあいにくの曇り。バッテリー残量は30~40%程度。朝の充電で、バッテリー残量はほとんど回復しなかった。現在のバッテリー残量、そして、今日1日で太陽からもらえるエネルギーと過去の走行データを照らし合わせて、今日1日で何周できるか計算をする。

 ストレートで40km/hという、昨日より少し早いペースで周回を重ねるLeidenschaft。天候が読めない状態で、このペースはMeisterにとってかなり攻めに出た作戦であるといえる。
 ソーラーカーレースは全てが太陽まかせ。天気が悪ければ車は走らない。しかし、そんな中でも有力チームは限られたエネルギーを上手にやりくりして1周、また1周と周回を重ねていくのだ。

 時間が経つにつれて、天候が回復してきた。発電量を示すパネル電流計の値がどんどん上昇してゆく。昨日よりも速いペースで走っているのにバッテリー電圧は徐々に上昇しつつある。Leidenschaftの胃袋がエネルギーで満たされていく・・・。

 それにしても、昨日に引き続き気持ち悪いくらいのノートラブル。ふと、「そのうちとんでもないトラブルに見舞われるのではないか」考えが浮かぶ。そんなことが起らなければいいのだが・・・。

 なおもレースは順調に進み、もうすぐ本日最後のドライバー交代。ここまで二宮さん、市川と、今日のドライバーはピットの指示通り、正確なラップを刻んでくれた。昨日、劇的なラップを刻んだ大石が、今日も最後のドライバーを務めるべく準備中。

 このころになって再び天候が悪化、発電量はがくんと下がり、バッテリー残量はみるみる減っていた。明日の天気もあまり期待はできないのでここはペースを落としてバッテリー残量を確保せざるを得ない。
 こういった、空模様とバッテリー残量とのにらめっこがソーラーカーレースの難しいところでもあり、一番おいしいところでもある。

 もうすぐ午後4時。Leidenschaftは本日9周目をまわっている。このペースでいけば、ぎりぎり4時前にコントロールラインを通過して、10周目に入れそうだ。しかし、肝心のLeidenschaftにその作戦が伝えられなかった。携帯電話を何度も呼び出すが、空しく呼び出し音が鳴るばかり。あとはドライバーの判断に任せるしかないのだろうか?

 昨日と同じ、ぎりぎりのタイムでLeidenschaftはコースの向こうに姿を現した。しかし、ドライバーにはもう1周して周回数を稼ぐのか、ここでピットに入って充電時間を稼ぐのか、ピットの指示が届いていなかった。
 トランシーバの交信可能範囲に入ってすぐ、「まわれ!」と大声で指示するがノイズが多くてちゃんと聞こえているかは怪しかった。
 ピット全員が見守る中、Leidenschaftは新たな周回に入ることなく、ピットへ戻ってきた・・・。
 結局、大会2日目の周回数も9周、1日目とあわせて18周で総合17位、順位はあげられたが、ピットの中には重い雰囲気が漂う。
 結局、携帯電話で連絡が取れなかったのは、たまたま着信モードがバイブレーションになっていたため、車体の振動でドライバーが着信に気付かなかったのが原因だった・・・。

本日の総合順位 17位(クラス11位)


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