TJY WSR2001 参戦日記

Part6 大会最終日-前編
Aug 5 2001

2001年8月5日 4:35 - 秋田県大潟村ソーラースポーツライン




月が、西の空に姿を消していく。朝のスポーツラインは、マシンの整備を急ぐピットクルーたちで早くも慌ただしくなっている。

TJYピットも例外ではない。まだ暗いうちに保管解除されたバッテリーを接続し、カウルを東の空に向けてスタンバイする。


クルーたちは、黙々と整備を続ける。やがて昇ってくる太陽から腹いっぱいのエネルギーをもらえるように、そして、少しでも遠くへ走れるように・・・





大潟村で開催されるWSRで、朝からこれだけ晴れることは珍しい。自分もこのレースに参加して何年にもなるが、日の出からレース開始まで常に晴天だったのは、これが初めてだったように思う。

最終日にしてやっとパネルを隠すステッカーを正しく貼り直して、やっと本来の発電を行えるようになったガメラ。電流計の値はどんどん上昇し、期待通りにバッテリー残量は回復していった。大雑把にスタートまでに回復するバッテリー残量を見積もってみる。このペースで充電できれば、60%近くまで回復できそうだ。


写真をクリックすると動画でご覧いただけます。
(MPEG-4, 130kbytes)

ピットでは、今日のモータをどちらにするかの議論が始まっていた。

初日に使用した高回転型の白モータはより速い速度が出せるが、フルスロットルではスピードが出過ぎるのでスロットルを絞って巡航しなければならない。

逆に、昨日使用した赤モータはフルスロットルでほぼ巡航速度になるように調整してある。しかし、今日は最終日なのでバッテリーを最後まで使いきらなければならない。バッテリー電圧が下がる午後になると回転数が落ち込んで必要な速度が確保できなくなってしまう。

結局、天候が良くかなりの発電を期待できるため、多少効率が落ちてもスピードが出せる「白パンツ」を装備することに決定した。DDモータの導入でギア比の選定に悩むことはなくなったが、2台のモータが存在することでモータの選定に悩むことになってしまったわけだ。





午前7時45分、すべての準備を終えてグリッドにつく。コントロールラインがほぼ正面に見える。ガメラがこんなに前のグリッドにつくのは、もちろん初めてである。周囲はフリークラスのマシンばかり。前方には育英高専の「Ikuei Neo II」、左前方には三菱マテリアルの「SUNチャレンジャー」、そして、昨日トラブルを起こして搬送されてしまったOSUは、なんとガメラの後ろにいる。

朝の充電でバッテリー残量は予想を上回る65%まで回復。天気予報は雲一つない晴天。今日のレースがかなりのスピードレースになることは、間違いない。

スタート3分前、全てのクルーがコースを離れ、しばしの静寂があたりを包む。そして、レースがフラッグが振られ、最終日のレースが始まった・・・

もうちょっと、つづく...
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