TJY WSR2002 参戦日記

Part1 プロローグ (車検 ~ タイムトライアル)
Jly 30 ~ Aug 1 2002

2002年7月30日 12:30 - 秋田県大潟村ソーラースポーツライン


メラを搬入してくれたチーム潟郎の人々もそれぞれの作業に戻り、いつもより2倍広いピットは、ガメラと僕一人だけになった。

とにかく今年は人手が足りない。あのオーストラリア遠征から3年が経過し、メンバーはほとんど社会人。みんな仕事が忙しく、WSRに車検から参加できるほどの休みがとれないのである。唯一の学生メンバーである高橋君も奈良で研究に大忙し。時間に融通の利く学生メンバーがいないのはTJYにとって大問題なのだ。

さらに痛いことに、毎年車検から参加していたガメラ設計者の池上さんが海外出張へ行くことになってしまい、車検はおろか大会本戦にもほとんど参加できなくなってしまった。

大会には既にエントリーしてしまっているので、今更退くわけにはいかない。残ったメンバーで何とかするしかない。

今年のガメラは、今まで参加していたハーフクラスからフリークラスにステップアップ。フルサイズのソーラーカーたちと同じ土俵でどこまで張りあえるか、試すつもりだ。

いくつか改良を行う予定だったが、結局人手と時間が足りず、太陽電池の出力アップとリチウムイオン電池を搭載するにとどまった。そのリチウムイオン電池さえ、これからパッケージングしなければ車検を通せない状況だ。

ガメラの整備はまだ終わっていないので、この状況で車検当日に現地入りしても車検は通らない。そこで何とか都合のついた僕が一足早く現地入りして、準備をすることになった。

僕は、日本各地から送られてきたパーツの詰まった段ボールの山を開封し始めた。タイムリミットは、1日半。




2002年7月31日 11:00 - 車両検査


車検待ち・・・


スイッチを入れると、ガメラのウインカーは音もなく瞬きだした。最後まで手こずっていたウインカー回路の修理が終わり、ほっと一息。ピットの外から聞き慣れた声がする。キャパシタのエキスパート・渋谷さんと、車検ドライバーを務める海ちゃんがちょうど到着したようだ。これで車検に必要なものはすべて揃った。後はガメラを車検会場に並べるだけだ。

車体サイズ測定から、スラローム・ブレーキングテストまで、例年通りの車検の手順を滞りなく終了。TJYとしては珍しく車検当日にほぼ全ての車検を済ませることができた。通らなかったのはドライバー車検だけなのだが、こればかりは全てのドライバーが揃う明日まで待つしかない。

 車検が終わって一安心。
 「ラジカセが鳴らないんだよねぇ」と、分解を始めるドライバー・うみんちゅ。
 TJYの日常的光景(・・・なのか?)
 準備が間に合わず、装着を見送った幻のサイド空力パーツ。
 テスト走行だけ試してみました。



2002年8月1日 13:30 - タイムトライアル


写真をクリックすると動画でご覧いただけます。
(MPEG-4, 106kbytes)

「本当にボリューム全開に回すだけで大丈夫?」

心配そうな顔をしてガメラに乗り込むのは今年の予選ドライバーを務める若松さん。

心配するのも無理はない。今日のガメラは予選用のスペシャルモーターコントローラを搭載し、電流リミットを引き上げた予選仕様なので、今までとは加速が違うはず。

WSRの予選は静止状態から400m先のゴールを通過するまでにかかった時間で競う。そのため、いかに力強い加速を行えるかが鍵となる。

いよいよ、ガメラの順番が回ってきた。合図がなり、旗が振られると同時にガメラのモーターがうなり出す。ガメラはあっという間にコースの彼方に小さくなってしまった。

結果は25秒445、平均時速56.59kmで堂々の4位。明日はなんと2列目でスタートすることになった。

参考までに、昨年の動画と比較してみよう。加速の違いがわかるだろうか?


【WSR2001 タイムトライアル】
写真をクリックすると動画でご覧いただけます。
(MPEG-4, 69.5kbytes)
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